散歩をしていると、すぐに木の棒や草花をむしってはポケットに入れる子どもたち。
いつも洗濯前にこっそり野へと放っているのですが、ふと、この野草を何かに使えないかなぁと思いました。
野草というとお洒落ですが、どこにでも生えているような雑草たちです^^
野草から天然酵母を起こしてみよう
さて、先日庭のローズマリーとタイムでハーブ酵母を起こしてみました。
初夏になり、庭のローズマリーとタイムが茂りだしました。 肉料理や魚料理に入れると、一気におしゃれな味を出してくれて重宝します。 この他にも、ローズマリーは細胞の老化を防止する抗酸化作用があることから、「若返りのハーブ」とも呼ば[…]
パン作りに利用される酵母(=Saccharomyces cerevisiae:サッカロマイセス・セレビシエ)というのは、身の回りにある植物や果実から採取することができます。
とすると、野草や雑草からでも、パンて作れるんじゃないかな!?そう思ったのがきっかけです。
野草集め
いつも散歩に行っている林道へ、野草を集めに出発しました。
今回集めた野草は、全て食用にしても問題のないものです。
酵母起こしに利用する際は、必ず図鑑等で調べて、自己責任でお願いしますね^^
集めた野草の種類と健康効果
どの野草もどこにでも生えているようなものばかりですが、健康効果であったり、様々な使い道もあるのです!
「雑草」だなんて、失礼なくらいですね^^

ヘビイチゴ(バラ科キジムシロ属)
「ヘビイチゴには毒がある」と言われたことがあるかもしれませんが、実は無毒です。
そのまま食べても問題ありませんが、甘みはなく、そこまでみずみずしいわけでもなく。
スイカの白い部分をさらに青臭くしたような・・・とにかく美味しくありません!!
でも、幼児ウケは良いのか、我が家の子どもたちは浴びるように食べています^^
健康効果:かゆみ、擦り傷、虫刺され、切り傷、やけどに効果あり

ヨモギ(キク科ヨモギ属)
言わずと知れた春の味覚。
ヨモギ団子にお餅、天ぷらなどなど、そのまま調理して食べても美味しいですよね。
擦り傷にはヨモギをもみ込むと良いと言われるように、毒だし作用もあります。
健康効果:デトックス、便秘解消、貧血予防、体を温める、リラックス、抗酸化作用、アトピー性皮膚炎に効果あり

ドクダミ(ドクダミ科ドクダミ属)
独特の匂いを放つドクダミ。
ドクダミ茶や天ぷらなど食用として利用できるのは有名ですね。
その他、アルコール抽出してドクダミチンキを作り、我が家では化粧水として利用しています。
夏場は蚊などの虫刺されに塗ったりもします。
健康効果:虫刺されやはれ物の炎症止め、デトックス、シミ、そばかすに効果あり

スギナ(トクサ科トクサ属)
つくしの近くにはスギナが生えますよね。
実はつくしとスギナは同じ植物!
つくしは胞子茎、スギナは栄養茎と呼ばれ、地下でつながっているのです。
スギナは栄養茎と呼ばれるように、緑の部分の葉緑体により、光合成が行われ、成長のための養分を作り出す働きをしています。
スギナ茶として市販もされていますが、我が家ではスギナを乾燥させて粉末状に砕き、パンやお菓子に混ぜ込んで使っています。
お茶のような風味が楽しめますよ!
健康効果:抗酸化作用、デトックス、むくみ解消、花粉症に効果あり

サンショウ(ミカン科サンショウ属)
ウナギのかば焼き、お吸い物、様々な料理の香り付けに利用されるサンショウです。
サンショウの実は爽やかな香りとビリビリとした刺激があり、我が家では毎年醤油に漬け込んで使っています。
販売されるサンショウを思い浮かべますが、山の中でも、意外と多く自生しています。
健康効果:整腸作用、代謝促進、むくみ改善、食欲不振に効果あり

カラスノエンドウ(マメ科ソラマメ属)
よく野原に茂っていて、紫がかったピンク色の花を咲かせる、通称「ピーピー豆」です。
若いさやであれば、天ぷらや和え物で食べることもできます。
乾燥させてお茶として飲むこともできます。
健康効果:血行促進、デトックス、解熱、消化促進に効果あり
酵母液を仕込む
ハーブ酵母と同じ手順で酵母液を仕込んでいきます。
<材料> 50~100mlのビン使用
- それぞれの野草 適量(ビンいっぱい)
- 砂糖 小さじ1~2杯
- 湯冷まし 酵母は50℃前後で死滅してしまうので注意!!
それぞれの野草を煮沸消毒したビンに詰め、湯冷ましをひたひたになるくらいまで入れます。
砂糖を小さじ1~2杯入れ、蓋を閉めて降り混ぜます。
この時、蓋付近は雑菌が繁殖しやすいので、なるべく液をつけないようにすると良いです。
朝晩蓋を開けて空気を入れ、降り混ぜます。
酵母が増える最適な温度は25~35℃くらいなので、暖かい場所に置くと発酵を早く進みます。
ちなみに今回は、室温20~22℃くらいの場所で発酵させたので、スピードがやや遅めです。
スタートして3日前後すると、どのビンの中もぶくぶく発酵する様子が見られました。
1週間程で発酵が落ち着いたので、10日後に発酵終了とし、中の野草をザルで取り除き、酵母液としました。
酵母液は必ず冷蔵庫に保管し、1週間程度で使い切るのが望ましいです。
途中、匂いをチェックし、悪臭を放っている場合は迷わず廃棄してくださいね!
表面に膜のようなものが張った場合も廃棄です!
うまく発酵が進んだ場合は、ほんのり甘いようなフルーティーな香りがすると思います。
ただ、野草酵母の場合、それに嫌な匂いではない青臭さが混ざっている印象でした。
スタート 10日後
ヘビイチゴ
- 匂い:イチゴのような甘い香り
- 発酵:プシュッと音がするほどよく発酵していた
- その他:だんだん表面の種が脱落してきた
スタート 10日後
ヨモギ
- 匂い:甘く、ヨモギ団子のようなヨモギ独特の匂い
- 発酵:プシュッと音がするほどよく発酵していた
スタート 10日後
ドクダミ
- 匂い:柑橘のような爽やかさがあり、ドクダミ独特の匂いはしない
- 発酵:泡は出ていたが、発酵は穏やか
スタート 10日後
スギナ
- 匂い:甘い匂いの中に、い草のような青臭さが混ざっている
- 発酵:プシュッと音がするほどよく発酵していた
スタート 10日後
サンショウ
- 匂い:グレープフルーツのようなとても爽やかで甘い匂い
- 発酵:泡は出ていたが、発酵は穏やか
スタート 10日後
カラスノエンドウ
- 匂い:4日目くらいから悪臭が立ち始める→屋外でおままごとをしたときに作る、雑草汁の臭い。
- 発酵:発酵は盛んにしていた
⇒悪臭から、酵母以外の雑菌が増殖したと考えられる。酵母液失敗のため、廃棄。
まとめ
今回は、身の回りにある雑草を使って天然酵母を起こしてみました。
果物、ドライフルーツなど、定番の材料とは違い、ものによって発酵具合はまちまちでしたが、それぞれ個性的な匂いがしています。
これを使ってパンを作ると、どんな風味が出るのか楽しみです♪
残念ながらカラスノエンドウは失敗してしまいましたが、天然酵母液作りにはよくあることです^^;
どうかな!?うまくいったかな!?と思いながら日々観察していると、愛着がわいてきますよ♪
先日お散歩中に集めた、春の雑草を使って、天然酵母を起こしました。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://kototsumugu.com/wild-yeast/] 天然酵母のパン[…]