初夏になり、庭のローズマリーとタイムが茂りだしました。
肉料理や魚料理に入れると、一気におしゃれな味を出してくれて重宝します。
この他にも、ローズマリーは細胞の老化を防止する抗酸化作用があることから、「若返りのハーブ」とも呼ばれています。
そこで、我が家ではローズマリーをアルコール抽出して、ローズマリーチンキを作っています。
ローズマリーチンキからは化粧水、保湿クリームを作って、子どもたちも一緒に使っています。
天然酵母のはなし
イーストと天然酵母の違いとは?
「イースト」という言葉自体は、英語で「yeast=酵母」を意味しています。
そのため、「イースト」も天然酵母であり、天然酵母も「イースト」であり・・・というのが本来の意味ですが、ここで言う『イースト』は、インスタントドライイーストなどに代表されるものを指そうと思います。
酵母には数多くの種類があり、その数は151属1312種にも及ぶと言われています。
その中でもパン酵母、ビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母など、食品として利用される酵母はすべて、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)と呼ばれる酵母の仲間になります。
普段私たちが『イースト』と呼んでいるものは、このパン酵母(=サッカロマイセス・セレビシエ)のみを、工場で単一培養したものになります。
酵母自体は自然界のあらゆるところに存在しており、果物や植物にはもちろん、私たちの体にも常在菌として存在しています。
『天然酵母』というのは、それら自然界に存在している酵母を自家培養したものになります。
そのため、単一の酵母のみではなく、サッカロマイセス・セレビシエを含む他の酵母も一緒に培養したものになります。
『イースト』と比較して、様々な味わいになるのも、発酵が不安定だったり長時間かかるのも、パンに特化した酵母ばかりではなく、パン酵母自体の数も少ないためです。
イースト | 天然酵母 | |
酵母の種類 | 工場でパン酵母のみを単一培養 | 自然界の果実等を利用し、パン酵母を含む複数の酵母を自家培養 |
発酵 | パン酵母のみのため、短時間(2~3時間)の安定した発酵 | 多種の酵母が混在するため、発酵は不安定で長時間かかることもある |
風味 | 安定したイーストの風味 | 原料由来、酵母由来の複雑で深みのある風味 |
天然酵母の起こし方
天然酵母の基本的な起こし方は、果実や植物に砂糖と水を加え、常温放置(25~35℃)で付着している酵母を培養していきます。
酵母がアルコール発酵し、糖類をアルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)に分解します。
このアルコールにより、生地に独特の風味が得られるというわけです。
そして、炭酸ガスが生地の中で無数の気泡となることで、パンが膨らんでいきます。
雑菌の繁殖に気を付けないといけないというのはありますが、作業自体はとっても簡単で、毎日どんどん変化する酵母液を観察するのは楽しいものです。
それでは、収穫したローズマリーとタイムを使って、ハーブの天然酵母を起こしていきましょう!
<材料> ※1Lビン使用
- ローズマリー 適量(軽くビンいっぱいになるくらい)
- タイム 適量( 〃 )
- 砂糖 大さじ1杯
- 湯冷まし 酵母は50℃前後で死滅してしまうので注意!!

消毒した瓶にローズマリーとタイムをモシャモシャっと入れ、ひたひたになるまで湯冷ましを注ぎます。
砂糖を大さじ1杯程度入れ、ビンの蓋をしっかり閉めたら、シャカシャカ振り混ぜます。
蓋付近は雑菌が繁殖しやすいので、中身があまり蓋に付かないようにしてくださいね!
分量も、正直なところ正確なものはなく、覚書のような手順です^^
小さな子どもでも簡単にできるので、ぜひお試しくださいね!
スタート 10日後
毎日朝晩に蓋を開けて、ビンの中へ空気を入れ、シャカシャカ混ぜます。
3日目から泡がブツブツ出だし、蓋を開けるとバフッという音が。
1週間すると、泡も音も控えめになってきたので、発酵が終盤になったようです。
10日後に引き上げることにします。
発酵の具合は、果物など糖分をたくさん含むものと比べると、ずいぶん控えめな感じでした。
見た目は・・・外で子どもが「おままごと」で作る、汁ですね。
茶色く濁り、底の方にはオリが溜まっています。
腐っているのか、大丈夫なのか!?
こういう時に指標になるのが匂いです。
見た目は薄く濁った茶色ですが・・・
- 爽やかなハーブの匂い、ほんのり甘い匂い👉成功!!
- 腐った草の匂い、嫌な匂い👉失敗!!残念ながら雑菌が大繁殖してしまったと考えられます^^;
嫌な匂いがした場合は、必ず捨てて、もう一度やり直してみてくださいね!
さて、中のローズマリーとタイムを茶こしやザルで取り除き、酵母液のできあがり!
オリや濁りが残ってしまいますが、これは増えた酵母菌やハーブの破片なので大丈夫です。
濾した液は、必ず冷蔵庫で保管してください。
途中で異臭がした場合はさようならですよ~!!
この酵母液を使ってのパン作りは、👇の記事からどうぞ^^
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